読書尚友

A reading room in Nagoya

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

16 竹野一雄「C.S.ルイス 歓びの扉」

竹野一雄「C.S.ルイス 歓びの扉 信仰と想像力の文学世界」岩波書店 2012年 竹野一雄 私の大学院博士課程の恩師である。篤信のキリスト教徒。所属の教会のオルガニスト。布教的言動、それ以前に信仰の話はされなかった。ゼミの食事会は先生がいくつか注文され…

17 岩波小辞典「教育」

第2版 1973年 教育関係で一番良かった本。これを読んでひそかに考えていたことは教育学部出身の諸氏よりも的確であることがたびたびあった。教育学関係の有能な先輩、教授に「何を読むべきか?」聞いたが、みんな首をかしげるので驚いた。経済学であれば、…

18 岩波キリスト教辞典

大貫隆 名取四郎 宮本久雄 百瀬文晃 編 2002年 聖書を座右に という人 ぼんやり見てませんか? この岩波のキリスト教辞典 いいと思います。 ピラトさん みんなの前で手を洗ってみせたり 役者。セリフの「イエスとバラバ どちらを釈放する?」も劇的。聖…

19 小林秀雄「読書について」中央公論社

本棚左上 諸橋大漢和 早朝腰痛で病臥。手近にたまたまあった本、といっても最近古本屋で選んだもの。なじみのある論客ではないが 以下の論述 納得。 このWEBページ読書尚友 閲覧者1800人ほど。毎日10人前後が来場。 0人をめざしているのだが、具眼の士はい…

20 李栄薫「反日種族主義」

イ・ヨンフン「反日種族主義 日韓危機の根源」文芸春秋 2019年 信頼できる著者か? まず大丈夫のようである。金洛年「植民地期朝鮮の国民経済計算1910-1945」東京大学出版会 読んでおきたい書物。 日本の植民地支配、土地調査事業だけでも罪深い。誰の発…

21 禅学大辞典

「新版 禪學大辭典」駒澤大學内禪學大辭典編纂所 大修館書店 1985年 老境となり読書にワクワクはしないのであるが、これは読んでおきたい という書物はある。シェイクスピア、これはOEDですっきり納得できる。「趙州録」これは諸橋漢和に出てこない唐末の俗…

22 諸橋 大漢和辞典

大修館書店 昭和30年 諸橋という方の御名前 てつじ が変換できない。今使っているパソコンは台湾製ASUS のZenBook(昨年のネット上の評判第一位 ベストテンに日本メーカー見あたらず)明治以降3000字水準の文部省略字の日本、もっと猛烈な簡略字の共産党の中…

23 OED

Oxford English Dictionary 1928 昨日の眞子プリンセスの歌会始、カラスウリの和歌 やはり宮内庁の和歌に素養のある女官が烏瓜という言葉の使用を止めてさしあげるべきであった。カラスウリ、自然科学者 寺田虎彦のからすうりについての随筆、青空文庫にあり…

24 水原秋櫻子編「俳句 小歳時記」

昨日の歳時記は5冊の大型本で至れり尽くせりで結構であるが。しかし、句会とか、初心者とも言えない私が句を作る時に役立つのは なぜか小型のこの歳時記である。 王泉書店 1999年 どうして追い詰められた状況で役立つのか。編者は豪華本もポケット版も同じ…

25 歳時記

水原秋櫻子・加藤楸邨・山本健吉監修「日本大歳時記」講談社 昭和56年 年賀状に添える一句のために歳時記をとりだしました。よく編集されているので快い。歳時記というのは、同じ季語であっても3種あれば3つともまったく異なるから不思議。 年賀状の鶴の絵…

26 羽仁五郎「都市の論理」

自伝的戦後史 講談社 昭和53年 日々を楽しく。紅茶のいれ方、とか。平和なのだから。しかし、戦争の始まる1941年も、鈴木大拙によれば みんな「タコつぼのなかでのんびり」であったのう。日々の年表を見ても、1941年の正月「甲子園球場にスキーのジャンプ台…

27 ラ・ロシュフコー箴言集

岩波文庫 1989年 一昨日コロナ禍一過の久しぶりに大型書店。捜しても見当たらなかったロシュフコーを買う。以前持っていた文庫本より分厚い。数行の記述の集成だけでなく、文章もあり、解説も詳しい。別の本を手にしているような気がする。 記憶では上品で才…

28 茶道誌「淡交」織田有楽特集

「淡交」2021年11月号 淡交社 特集 織田有楽斎と茶の湯 昨日 コロナ禍後 久しぶりに地下鉄に乗り本屋大型店へ。一階がドラッグストアにかわっていた。「淡交」千宗室の巻頭言が清々しい、むだのない文章。 「無門関」かつてノートとりながら50則を吟味、本…

29 加藤周一「読書術」

岩波書店 2000年 昔読んだ光文社版は1962年 昨日のサルトル わかった気がしない。読書とは何か わからなくなった気がした。そこで 若き日に読書がわかった気にさせてくれた加藤周一「読書術」をひもとくことにした。しかし、著者、題名が同じでも中身がちが…

30 サルトル「文学とは何か」

サルトル「文学とは何か」加藤周一 白井健三郎 訳 人文書院 昭和27年 サルトル全集 第九巻 文学とは何か。 立場をはっきりさせないと、と言われても、立場を作るために読んでいたし・・・。立場などない私だし・・。 誰のために書かれたか それは思う。能の…

31 桑原武夫「文学入門」

生活の楽しみ やはり文学。 大学生時代 受験勉強から解放され 意気込んで読んだ桑原武夫。”面白さ” という話にがっかりした。その頃は もっと原理的、理念的な提示を期待していたのだろうか。今読むと桑原という人の構えは面白いと思う。学者というより自由…

32 レ・ミゼラーブル

ヴィクトール・ユゴー「レ・ミゼラーブル」石川 湧訳 角川文庫 昭和36年 表情 私にとって印象的な表情とは「カラマーゾフの兄弟」のイワンと紅茶を飲むアリョーシャの表情。「罪と罰」ネフリュードフに別れを告げるカチューシャの表情。そして、「銀の食器が…

33 桃井かおり「うつむきかげん」

表情につて 第4回 桃井かおりさん 「うつむきかげん」角川文庫 昭和57年 ソフィア・ローレンよりも表情豊か。大女優? ママ 私キレイになれる? 内言語(私の仮説) merry で natural 写真撮影 百瀬恒彦 本としては前作の「しあわせづくり」が良いらしい。 …

34 THE FACE

表情 第3回 洋書 ニューヨークの本屋さんで買った本。 THE FACE DEBRA N. MANCOFF Yhames & Hudson The British Museum メキシコ 15世紀 フランス 19世紀 エジプト 2 世紀 イギリス 14世紀 イギリス 19世紀 日本 18世紀 歌麿 オランダ 17世紀 イタリア 19…

35 「月岡芳年」

月岡芳年 1839-1892 よしとし 大蘇芳年 「月岡芳年」平凡社 2012年 別冊太陽 昨日に続き 表情について 浮世絵の表情表現 芳年 役者絵 湖水/明智左馬之助/市川左団次 怪風 尾上菊五郎/鵜飼勘作 どうもねむったい 漆塗の箱に映る顔 根津遊郭 洋行がしたい 裕福…

36 片山まさゆき「ぎゅわんぶらあ自己中心派 」

講談社 昭和63年 生活の楽しみ 今日は麻雀。 片山まさゆき「ぎゅわんぶらあ自己中心派 」第7巻 孫子の部屋 孫子の兵法編。片山先生、じっくりと、多角的な納得読みの人か。私は孫子を純粋簡潔な理論として足早に読んでしまったが、より実践的、日本的な孫子…

37 冬のソナタ

キム・ウニ / ユン・ウンギョン 宮本尚寛 訳「冬のソナタ」NHK出版 2003年 生活の楽しみ 今日は 韓ドラ。 作者 まえがき どうしてこうなるの? サンヒョクがかわいそう! 作者が簡潔に魅力を語っています。初恋が呼ぶのです。それは思い出の中の冬への旅。そ…

38 多胡 輝「読心術」

多胡 輝 たご あきら KAPPA BOOKS 光文社 昭和37年 生活の楽しみ とは言えないが、虚弱体質貧血気味であった中学時代の私は一時間以上の通学で座りたい時に座席に座れた時は幸せであった。上前津、大須赤門商店街の本屋で中学1年のころ「読心術」という本を…

39 林 謙一 「日曜画家」

池田書店 昭和35年 日曜の曜の字が表紙は略字でパソコンで変換できず。奥付は曜となっている。 高校時代、美術部をやめるころ買った本と記憶。ていねいに編集されている。この書店の「日曜大工」「日曜バラ作り」「日曜料理」「書道入門」は老後の日々にほし…

40 田村隆一 編 「日本の名随筆 11 酒 」

田村隆一 編 「日本の名随筆 11 酒 」作品社 1983年 生活の楽しみ 蕎麦の次は酒 随筆集 それぞれ一家言 山口 瞳 ウイスキー ストレートで飲むのがうまいにきまっている。そうでない飲み物はまやかしものだと思われる。 坂口安吾 ちかごろの酒の話 メチルで死…

41 見田盛夫「東京 五つ星の蕎麦」

東京書籍 平成18年 と 杉浦日向子「ソバ屋で憩う」を比較。日向子特選5店は一致。 ネット検索でコロナ禍を生き延びたかチェック。 並木籔蕎麦 健在 ネット評価 3.79 都内の蕎麦店はみな4点以下 岐阜下呂 仲佐 4点 鞍馬 西荻窪 健在 ほしの 田無 閉店 ご主…

42 松崎天民「銀座」

生活の楽しみ 今日は銀ブラ。 一昨日東京の友人(向島の江戸っ子)よりメール。「久しぶりの銀座。驚いたのは懐かしき店舗がほとんど知らない店に代わるか残っていても、表通りから裏通りへひっそり移転・・」 松崎天民「銀座」ちくま学芸文庫 2002年 松崎天…

43 茶道全集

創元社 昭和12年 今第15巻 器物 を手にとっている。巻頭の20頁ほどの抹茶茶碗の写真、昭和初期のもの。東京、大阪の大空襲で失われたものも多いのであろう。執筆者は千覚二郎、加藤唐九郎など伝説の人物たち。 私が一番よく見るのは、手控帖の巻。

44 織田長繁「茶道 有楽流教本」

監修 宗家 織田長繁 編著 佐藤宗玄 昭和56年 生活の楽しみ 今日は茶道。 私は有楽流 うらく流。 織田信長の弟 織田有楽の茶道。東京の有楽町は有楽の茶室があったから有楽町。有楽の数寄屋があったので数寄屋橋。有楽の茶室で今に残るのは国宝如庵。犬山に移…

45 カレル・チャペック「園芸家の12ヶ月」

小松太郎訳 中公文庫 1975年 生活の楽しみ 今日は園芸 チェコの生んだ文学者 人々の心まで耕す人 秋の落葉の見方について チャペックは大学で哲学を学び 演劇もやっている。 昨日衆議院選挙。落選した知人を思っていたら、このページにしたくまりました。来…