読書尚友

A reading room in Nagoya

81 リカード「経済学および課税の原理」

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リカードウ全集 雄松堂書店 1971-1999

私は経済学部出身、大学院と博士号は文学ですが、経済学を学びました。

I am a リカーディアン。そう言って、うなずいてくれたのはエジンバラのブロートンさんだけですが・・。

リカードの素晴らしいのは

(1)大富豪になった、例外的な経済学者。紺屋の白袴というか、経済学者はたいてい貧乏人。全集の書簡集を見ると、親戚にプレゼントをさしだすも、巨額すぎて拒絶される様子とか伝わってきます。

(2)主著「経済学および課税の原理」が薄く読みやすい。習得感があり、応用がきく。比率で見る。高校の教科書にも出てくる貿易の比較生産費説も比率の考え方。日本ではリンゴ1つと靴下1組が交換され、アメリカではリンゴ2個と靴下1組が交換されているとすると、日本で靴下を100買って、アメリカに行き、リンゴ200個と交換、日本にもどって売れば靴下200が手に入る。

(3)マルクス資本論」は難解で有名だけれども、経済学書とみた場合、車にたとえれば、見た目はヘーゲル哲学の豪華ソファ。エンジンルームをあけてみると、リカード理論のエンジンとギアボックスがそっくりそのままはいっている。

I am a リカーディアン 微笑の意味はわかってくださったでしょうか?