ブライスさんが良心的兵役拒否で収監されたのはワームウッド刑務所。
ワームウッドという名の主人公が活躍する小説があります。C.S.ルイス「スクルーテープの手紙」山形和美編集「C.S.ルイス著作集 1」では「悪魔の手紙」と訳されています。「悪魔」というと強烈なイメージ、誤訳ではありませんが、過剰な表現。
悪魔といってもワームウッドさんはささやかな存在で、やさしく人間を観察。
上記は食いしん坊の女性を堕落させようという試み。こんがり焼いたトースト一枚と頃合いにいれた紅茶があればいい、おこないが清らかで欲のないおばあちゃん、と本人は思っていても悪魔のワームウッド君から見れば乗ずべきスキはある。コックをクビにしたりしている。(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
第二次世界大戦中「マンチェスター・ガーディアン」に連載された書簡体小説。この小説が話題となりルイスは有名になってゆく。悪魔の視点から人間を観察。あれこれ手を尽くし堕落を誘おうと、ワームウッド氏がちょっとした策略を弄するという物語。
夏目漱石が猫の視点から人を描いたように、ルイスは悪魔の視点から人を眺める。眺めるだけでなく、堕落を誘う。そしてワームウッド氏は失敗し、上司のスクルーテープに叱られる。神の栄光と共にある老女の姿を暗示して一話は終わる。日本的に言えば阿弥陀の慈光につつまれた姿の確認。
↑ どうですか?教会に通い始めた人を堕落させようと心理分析。日本の教会と同じ心象風景? 楽しいエッセー。ナルニア物語のルイスですが、こっちの方が大人向きでしょうか。読み心地がいい。恐ろしい題名以外は。
さて、ブライス研究 第4回
今日は、新しいスクルーテープの書簡がみつかった! として若き日のブライスをワームウッドが誘う(作り)話。
1898年生まれのブライス。第一次大戦は1914年から。16歳で開戦。徴兵は18歳?イギリスの少年たちは悩んだことでしょう。兵役拒否を決断。ワームウッド監獄に収監。「死ぬことが怖いわけではありません。人を殺したくないのです。疫病の病棟の勤務とかなら志願します」そう申し出たが、ダートムア監獄/内務省労働センターに移送、労役につくこととなる。
ワームウッド氏(ダメ悪魔)ふるさとの町にもどり、田舎教師となるも、戦死した息子のいる近所のオバサンから生卵をぶつけられる近未来などみて(* ̄▽ ̄)フフフッ♪ 転向して精神も落ちぶれるよう画策。刑務所内には使える悪魔好みのコマがたくさん。
ところが、食卓でたまたま隣にいた老人と話し、菜食主義に。このあたりからブライスは神の栄光につつまれ、ワームウッド、またまた失敗、スクルーテープの叱責をうけることとなる。
書きかけ・・・菜食主義の老人、その時の会話内容、調査中。