読書尚友

A reading room in Nagoya

57 夏目漱石「文学論」

夏目金之助漱石全集 第14巻」文学論 岩波書店 1995年

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文学的内容 = F + f

F :  焦点的印象

f :  情緒的要素

ワーズワースの 黄水仙 + 旅路の散歩気分

漱石 猫の視点 + ユーモア

キリスト教文学の泰斗 山形和美氏の広大な邸宅には、お弟子さん数人がかりで整理する書庫棟 自宅内の書棚群 書斎 そして寝室。 寝室には「漱石全集」 見てきた詩人 S さんは先生が「猫」や「坊ちゃん」を読んでいる と思ったかもしれないが、漱石全集には文学への様々な本格的踏破が記されている。漱石にとって「左国史漢」あたりが文学への道標。英国留学では、下宿に引き籠っていた、の通説は俗説。劇場鑑賞や英国内旅行、的確膨大な文学書収集。詩学のクレーグ先生に英詩韻律の個人指導を受けている。帰国後、私の見るところ大学教員として、英国文学をシェイクスピアの高さまで自家薬籠中のものとする作業の跡あり。

F + f  ジュリエット家のバルコニー イアゴーのハンカチ オフィーリアの 次々と想起できる。