読書尚友

A reading room in Nagoya

142 サガン「悲しみよ こんにちは」

Francouise Sagan

「悲しみよ こんにちは」朝吹登水子訳 新潮文庫 昭和30年

太陽のきらめく南仏の海岸が舞台ではあるが

「17歳の私 セシル」の世界は・・

 

清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき

端役の人もワンサ 映画の大部屋女優

 

その子はたち櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな  与謝野晶子

二十歳とはロングへアーをなびかせて畏れを知らぬ春のヴィーナス 俵万智

 

桃だけが私の味方この恋を白き椿も梅も許さず 俵万智

エルザの思いを椿 アンヌを梅にみたて セシルは桃の花

 

与謝野晶子「みだれ髪」の世界と重ねて 暖かく見ておきたい。