読書尚友

A reading room in Nagoya

160 モーム「要約すると」中村能三訳

2023年の年賀状でこのWebページを見た友人からメールが来ました。

モームの本 全部読んだの?」

私は返信に「あと10ページで読了」。 今日読み終わり、この文章に加筆しようと二番目に気になったページを写真にとりました。そしてページを開くと  すでに同じページが掲げてありました。 老人のやることは ・・・ いや よく見ると違う。

以前から掲げてあったページは中村能三訳「要約すると」112頁。今回読み終えたのは行方訳「サミング・アップ」334頁。

中村訳 われわれは感情の奴隷である  (老人は感情の支配から解放される)

行方訳 人間は情熱の奴隷である    (老人は情熱の支配から解放される)

正確に友人の問に答えるなら、

「二度読みました。私にとって大事な部分は同一でした。老境で前に読んだことを忘れて読んでいました」

サミング・アップ」行方昭夫訳 岩波文庫

The SUMMING UP by W.Somerset Maugham 1874-1965

第73章後半

モームの言葉に十割の同意をする。

「老年の方が時間に余裕がある。

カトウは80歳でギリシャ語を習い始めた。

完全な一生、完全な絵模様は老年期を含む。」

わたしは幼稚園のころから老人となることを渇望していたが、今、そうなっていて有難い。

追いかけて 追いついた 風の中   放哉

 

Agree 100% with Maugham's words.

"Older people have more time.

Kato began learning Greek at the age of 80.

A complete life, a complete picture includes old age. ”

Ever since I was in kindergarten, I have longed to become an old man, and I am grateful that I am now.

 

100% 同意毛姆的話。

“老年人有更多的時間。

加藤 80 歲開始學習希臘語。

一個完整的人生,一個完整的畫麵包括晚年。 ”

從上幼兒園開始,我就渴望成為一個老人,我很感激現在的我。

 

なぜ岩波文庫の表紙はタペストリーなのだろうか?

一生を絵模様とに譬える冒頭の文章を 私は想起する。

そして率直で矛盾した凡人こそおもしろい とモームは言う。

イイね。

 

 

この本は老境をどのように過ごすか についての 今のところベスト・アンサー。

最後の一節が一番良い

 

人生の美はこれに尽きる、即ち、各人は自らの性質と仕事に応じて行動すべし。

     17世紀のスペインの修道僧 ルイス・デ・レオン

 

ただ行方訳のキーワード語の訳に疑いは残る。スペイン語で「仕事」はどんな言葉か? ・・・