読書尚友

A reading room in Nagoya

186 高畠達四郎「風景画の話」

高畠達四郎「風景画の話」美術出版社 1952年 

小冊子であるが 多項目にわたりていねいに書きこんである。

上掲のページは点景人物について。戦前のシンガポールの風景画の話とか興味深い。

高畠氏は明治28年生まれ。大正10年から7年間渡仏。私もユトリロの風景画の点景人物、ほほえましくて好きであるが、数点しか見たことがない。高畠氏は無数に見ていることが伝わってくる。些細な一言からも生涯の画業へのうちこみが伝わってきて尊い記述と感じる。

作者を慕いつつ読み耽るのは至福の時間である。