読書尚友

A reading room in Nagoya

69 「女子会川柳」

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「女子会川柳」ポプラ社 2013年

日曜日 布団干したい でも寝たい

腐っても 使えなくても 正社員 (1)

じじくさい 思った相手が 同い年 

気がつけば 癒し系から 威圧系

5時までは 体の調子 いまひとつ

病欠の 電話済んだら 元気が出

ストレスは 仕事じゃないの あなたなの

十年目 部長が席まで来てくれる

「僕がやる」その後始末 誰がやる?

新人の かわいい返事 真似てみる (2)

「能力だ」そういう上司は美人好き

お土産を 日頃のお詫びと 受け取られ

欲しかった バッグ持ってた女子高生

派遣社員 有能過ぎると 立場なし

「至急でね」頼んだおまえが なぜ帰る (3)

定期券 年齢変えず はや5年

電話での 謝罪姿は 女優なみ

 

長谷川町子「いじわるばあさん」なみの水準。しかし、この本以後女子会川柳に佳作を見ない。上記の句も作者が明示されていない。職場の無料配布誌。

川柳、皮肉、冷笑随筆 素晴らしく作者が有名に という状況は作者にとってかえってマイナス? 話題の川柳 その職場でも話題になるとすると (1)派遣の作者は正社員全員を敵にまわす。 (2)良い関係だった新人が気を悪くする。 (3)みんな帰る時に私を意識する・・  ジャンルとして未完成 ということは初代川柳も指摘していたかな。

千里の馬は常に有れども 伯楽は常にはあらず。 川柳その他の才能のある女性が才能を発揮せずに雑用に追われて一生を終えている例は多いのか? 女優になれそうな女性とはすれちがって来た、とは言える。