2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧
R.H.ブライス「ほんとうの日本」大江舜訳 武田雄二編集 展望社 2021年 ここ数日、ものの見方、考え方・ 観想/テオリア の諸相。 今日は東西文化の比較の視座、ブライスさんの本を見てみましょう。 今日 9月28日発行。出来たて。ていねいな編集、翻訳。 Re…
観世左近「観世流百番集」檜書店 平成12年 「江口」ラストシーン 江口の君は普賢菩薩となり・・ このところ、観想/テオーリア、ものの見方考え方の諸説を考察。 アリストテレス 純粋高踏 近寄り難し。 マルクス 無敵の論客 素晴らしすぎ。20世紀の流血の争乱…
大川恒平「筮竹占いの秘密」二見書房 昭和52年 沢火革 高田真治・後藤基巳訳「易経」岩波文庫 沢火革 このところ 観想/テオリアの在り方をみています。 マルクスのものの見方は論争力抜群。20世紀を風靡。しかし、易経の見方からすると、なんでも変革、革…
アダム・スミスの会 東京大学出版会 1965 目次 大学進学。文学部に行きたかったが親の難色で経済学部へ。ずいぶんがっかりしての失意の進学であったが、それでも18歳、学問の世界は未知の領域であり、本当の勉強を独学でしようと決めた。1年生のころは一切…
リカードウ全集 雄松堂書店 1971-1999 私は経済学部出身、大学院と博士号は文学ですが、経済学を学びました。 I am a リカーディアン。そう言って、うなずいてくれたのはエジンバラのブロートンさんだけですが・・。 リカードの素晴らしいのは (1)大富豪…
「経済学批判」武田隆夫他訳 岩波文庫 序言 「人類の前史は終わる」 現在の資本主義社会が終わり、まったく新しい社会になってゆく。そこで人々は、能力に応じて働き、必要に応じて消費できる。 理想を語るマルクス。1859年の出版。160年前の言葉。 「哲学者…
「資本論」向坂逸郎訳 第1巻第7篇第24章 カール・マルクス「資本論 ー経済学批判ー」 我々の住む社会はどんな社会であるかを論じた著作。「我々の社会は資本によって支配されている」ということで資本論と名づけられている。 冒頭は商品論。今の社会ではあ…
アリストテレス全集13 ニコマコス倫理学 加藤信朗訳 1973 アリストテレスによれば、最高善は幸福であり、幸福とは善い人として美しい行為のできることである。 幸福は如何にしてえられるか? 目次 ニコちゃん、何事も過不足なくダヨ。良い習慣が大事サ。善…
岩波文庫 原 二郎 訳 1966年 モンテーニュの「エセー」。とりとめもなく読み続ける快感は西洋の賢者の談話に同席する臨場感。今読み返しても、まづまちがいのないことが語られている。(a) が最初の記述で (c) は3度目の加筆である。「最高善は何か」トルス…
新潮社 平成25年 「田辺聖子の古典まんだら」古事記から古川柳まで、テンポよく要領よく いきいき解説。読者のもち時間を配慮、盛り上がる構成。 「源氏物語」の章はない。モンテーニュ「エセー」にキリスト教の議論がないが如く。逆に群書にない「とはずが…
田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」短編集 KADAKAWA 昭和62年 しばらく童話について書いてみよう。グリム童話、ピノキオ、ムーミン とか。 第一候補「大理石の心臓」。ある日男の家に悪魔が訪ねてきた。「お前の生き生きした心臓をこの大理石の心臓と取り換える…
中務哲郎訳 岩波文庫 人生 何回か サワーグレープスの感慨あり。手の届かない葡萄。すっぱいからいらない、と言い捨てて立ち去る。大学時代銭湯の一番風呂で一緒になっていたH君 温泉友達 が「外交官試験をめざして一緒に勉強しよう」と提案してきた。しばら…
岩波書店 昭和28年 ¥190 「アンデルセン童話選」岩波少年文庫 大畑末吉訳 冬の北欧でマッチ売りをしていると足が赤く青くなるという記述。ノーベル賞の大富豪ノーベル、幼いころは極貧の時期もありマッチ売りをしていたという。実際のマッチ売りの少年少女…
新見南吉「でんでんむしのかなしみ」 かみやしん 絵 柳田邦男「人生の一冊の絵本」岩波新書 2020年 NHKの早朝のラジオ番組で柳田氏が絵本についていい感じで話してみえた。ルポルタージュ本のライターと思っておりましたが・・。早速ネット紀伊国屋に注文。…
絵:鈴木靖将 新美南吉「うまやの そばの なたね」新樹社 2014年 トルストイの描いたカチューシャと永井荷風の駒代、お金をさしだす女性との関係・・どうして二・二六事件で渡辺錠太郎は拳銃を用意しながら、陸軍屈指の射撃の名手でありながら一発も撃たなか…
きのふの淵 「随筆 冬の蠅」扶桑書房 1945 Nov. きのふの淵 荷風の文章は 好き勝手に部分を読み散らし、ただよう情緒を楽しんできた。 「そのころ、私は三十を越したばかり。芸者と連れ立って、夏の夜ふけの河岸通を歩くのが、夢ではないかと思ふほど嬉しく…
レオニード・オシーボウィッチの挿絵 トルストイ「復活」原卓也訳 中央公論社 昭和38年 旅と読書 読書60年、一番印象的な旅立ちは トルストイ「復活」のカチューシャ シベリアへの旅立ち。50年前の読書、「貴族のネフリュードフは結婚を申しこむのだが、カチ…
この写真が1935年。 二・二六事件は1936年。父渡辺錠太郎は「教育総監邸で殺された」とすると、この部屋で殺された可能性が高い。そうなん部屋もない家のようである。「テーブルの下に小さな娘を隠した」このテーブルであろうか。 ミュンヘンオリンピックの…
親のうちじゃ 遠慮におよばぬ ここはまだ娑婆か 「庄松ありのままの記」鈴木大拙全集第10巻 1969年 岩波書店 旅についての読書録 そろそろ終わります。 「海底二万里」「アラビアンナイト」「キャプテンケン」(手塚治虫 火星の街)「白鯨」おもしろかった記…
カトリック中央協議会「カトリック要理」中央出版 昭和35年 第1ページ 第2ページ 第3ページ 前回 昨日はカトリックの教理を学び、修道女となった渡辺和子さんの著書について。今日はカトリック系寄宿中学に入学しながら中退して家に帰ってきた姉の本につ…
まえがき 渡辺和子「愛をこめて生きる」PHP文庫 1999年 神の近くまで行きたい。グレアム・グリーンは1930年代、革命後、カトリック禁教のメキシコへ旅行。本田哲郎司祭は釜ヶ崎へ。弥次喜多は伊勢へ。 渡辺和子さんのそばに神が立たれたのは御自宅のはずです…
20世紀のメキシコ革命でカトリックは禁教となる。 神父は国外追放。 立ち去らなかった一人の神父の処刑されるまでの物語。 神父たちは居なくなったが、ミサを求める民衆は残っていた。 神々しい聖者の物語ではない。 ウイスキー神父。 のんだくれ。 追手が間…
本田哲郎「釜ヶ崎と福音」岩波書店 2015年 本田哲郎 1942年生まれ 1965年 上智大学卒業 フランシスコ会入会 1971年 司祭叙階 1978年 ローマ教皇庁聖書研究所卒業 1989年~大阪釜ヶ崎赴任 日本のキリスト者 2人あげるなら、渡辺和子と本田哲郎。 本田の聖書…
吉田健一「旅の時間」講談社学芸文庫 2006年 ここまでの本はとても好きな作家、作品を並べました。しかし、今日の吉田健一はイイナとは思うけど、好きにはなれない。旅の随筆はイイ、英国文学への言及はスゴイ。「英国の文学」、長い冬のイギリス文学への影…