アリストテレスによれば、最高善は幸福であり、幸福とは善い人として美しい行為のできることである。
幸福は如何にしてえられるか？
ニコちゃん、何事も過不足なくダヨ。良い習慣が大事サ。善く生きるためには良い国家が必要であり、運の良しあし、友人にもよる。などが彼の倫理学、政治学の書の内容。
アリストテレスは日本では誤解されているように思われる。人間の生き方を述べた「ニコマコス倫理学」には、人間の幸せは美しい行為のできること、とある。上掲文。そもそもニコマコスとは彼の子供の名前であり、彼の学校の午後の講義のテキストである。午後は大衆向きの講座。平明に語っている。わが子に語りかけている。
高校の教科書的には、アリストテレスは観想テオーリアを推奨となる。普通の人までみんな研究者肌で理論的に見て思考するのが良いとした？ 大学の哲学史概論がそのまま俗流化。大学の概論も アリストテレスは如何にして師のプラトンを超克したかの記述汲々とするのみ。理屈ばっかりのいやな奴になれ と言った？
アリストテレスの「ニコマコス倫理学」は幸福とは美しい行為ができることだと述べ、どんな行動をするかは、その人に任されている。平易な塗り絵形式で、赤く塗るのも、空色に塗るのも、ニコちゃんの選択。過剰と不足はさけるのが良いと諭すが、さじ加減はニコちゃんが自分で決める。そのような生き方を守る民主制を支持するアリストテレスである。
ニコマコス倫理学を学べば、世界標準の道義意識。
美しい日本、靖国参拝、近松の心中ものに心酔とか、その美意識への同調もできるけど、大局的にアジアそして世界の中での日本、日本人全体を幸せにできるだろうか。靖国神社内の本屋さんも行ってみたけど、理論書の語るに足るものは見つからなかった。
う？ 幸運で 友達がいて 美しい行為ができる人が幸福。総理大臣候補 高市早苗氏は幸運、タリバンの国なら女性は立候補できないのだから幸運、お友達も多そう、靖国参拝とか美しい行為もでき シアワセ！ にもかかわらず ワタシは理論が弱い、観想テオリア的にまずい、と 今言った。つまりテオリアを伴ってこそしあわせ？
アリストテレスの文は強靭でしなやか。「ニコマコス倫理学」第10巻第7章 最高の幸福としての観想活動について を読んで考えてみましょう。
明日は19世紀最高の観想活動の人について。
