新美南吉「うまやの そばの なたね」新樹社 2014年
トルストイの描いたカチューシャと永井荷風の駒代、お金をさしだす女性との関係・・どうして二・二六事件で渡辺錠太郎は拳銃を用意しながら、陸軍屈指の射撃の名手でありながら一発も撃たなかったのか。などの考えがうかび・・・それは論じないこととし、今日は新美南吉の絵本。
新美南吉は安城高等女学校の教員。国語と農業を担当。安城町新田に下宿。私は小学校6年のころ安城市新田町に住んでいた。新美南吉と同じ農村風景で暮らし、見ていた。菜の花は咲いていた。馬も少しはいた。東京の小学校から転校。当時安城は「日本のデンマーク」と言われていて、期待して来たが、何もない、水田地帯。美しい景色などひとかけらもない。それで、新見南吉の美しい童話は不思議でならない。強い日差しでクタっとなったショボショボの なたね。デブでドタっとした 可愛くない馬 農作業とか運搬用。安城の女学校の生徒も 農家の子女で働き者ではあるが・・・。あの環境で新美南吉はどうやって名作を紡ぎだしたのか。不思議不思議。