読書尚友

A reading room in Nagoya

39 林 謙一 「日曜画家」

池田書店 昭和35年

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日曜の曜の字が表紙は略字でパソコンで変換できず。奥付は曜となっている。

高校時代、美術部をやめるころ買った本と記憶。ていねいに編集されている。この書店の「日曜大工」「日曜バラ作り」「日曜料理」「書道入門」は老後の日々にほしい本ではあるが、もはや街の本屋さんもなくなった。「日曜画家」が残っているだけでも有難いとしなければならない。

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手堅い、良心的な編集。美の世界とかおおげさではなく、光や形に敏感になる と表現、良い構え。

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行き届いた説明、工夫。絵具選び、画材屋さんで立ち尽くす時の指針。どんな先輩もここまで的確に説明してくれない。

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手順の説明。美術部でもここまで簡潔丁寧な説明はない。出来上がりの絵もなかなか良い。

そして、この世界への考え方が明確、かつ深く納得できるもので・・

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日曜画家 チャーチル会 チャーチルの絵とは

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昔の本はよくできている。

さて、それでは 半世紀のち 日曜画家 をどう思うか?

高校入学で美術部へ入部(身体を鍛えるため弓道部へはいるつもりが、説明会が30分前だった美術部に行ったら教室を出られず・・)。成績急落。顧問の成瀬光男先生、当時青年新進画家「美の世界を去るのですか?」私「日曜画家とか・・」先生「フーム、日曜画家ね(評価できない という雰囲気)・・」

今思うのは やはり 専念するか しかないか 美の世界に住むか 住まないか 二択。

質は量によって規定される ヘーゲル