読書尚友

A reading room in Nagoya

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

183 ヌーヴェルダンス横断

前田 允 (ただし)「ヌーヴェルダンス横断」新書館 1995年 ヌーヴェルダンスとはフランス文化圏の呼称で 日本、米英ではコンテンポラリーバレエと呼んでいるバレエのことである。 前田教授は私の大学院の恩師で舞踏についての講義を持ってみえた。選択したの…

182 プロ野球選手データ名鑑 2024

阿部俊行編「プロ野球選手データ名鑑2024」宝島社 中日ファンの視点から 数値で見ていくと (1)2023年 チーム別年間総得点 1 阪神 555点 優勝 2 ヤクルト 534点 五位 3 巨人 523点 四位 4 横浜 520点 三位 5 広島 493点 二位 6 中日 390点 最下位 広…

181「回想のブライス」

幹事責任者 新木正之介 編集者 川島保良 「回想のブライス」 印象社 昭和59年 非売品 ブライス Reginald Horace Blyth 1899-1964 ブライス縁故の人々の思い出の文集 29編 最後の新木正之介氏の文章が70頁ほどで例外的な長文。詳しい記述となっている。 上掲…

180 ガダルカナル戦記 第38師団(名古屋)歩兵第229連隊

亀井宏「ガダルカナル戦記」第3巻 光人社NF文庫 1994年 全体ではなく 父の所属した第229連隊についてだけの読書。ほとんど記載はない。 概要を私が述べる。「 」表示が父の言葉。 太平洋戦争 ガダルカナル島の戦い 1942年8月〜1943年2月 日本軍とアメリカ軍…

179 白秋詩抄

北原白秋著「白秋詩抄」岩波文庫 昭和8年 水墨集 焚火 「「水墨集」は大正十二年の出版。閑寂清楚な作品群。」吉田一穂の解説より。 閑寂清楚 具体的には あたたかいぞ、あたたかいぞ、 と、ゆうてはみれど、やっぱりさみしい。 黙ってばかりいずとも、何か…

178 藤村詩抄

島崎藤村自選「藤村詩抄」昭和2年 岩波文庫 若菜集 合唱 4 高楼 平易な日本語であること 詩情が清純 シェイクスピアの無韻詩のようによどみなく流れていること その辺が素晴らしいと思います。 この歌は聴いたことがあり、 うるおいのあるひとときを過ごさ…

177 子規句集

高浜虚子選「子規句集」岩波文庫 昭和16年 私が選んだ十句 (1)杉高く秋の夕日の茶店かな 明治の散策、旅は高雅。今の旅は外国人で混雑、くどいスウィーツの屋台がぎっしり並んで。 (2)朝顔にわれつつがなきあしたかな 明治23年 (3)日あたりのよき部…

176 永井荷風「珊瑚集」

永井荷風訳著「珊瑚集」岩波文庫 昭和13年 佐藤春夫の昭和13年の解説 「永井荷風が愛好し尊重した詩人は、ボードレエル ヴェルレエン アンリイ・ド・レニエ Regnier, Henri de の3人であるという。荷風の後期作品の詩趣はレニエに通底」 永井荷風の作品は好…

175 日本童謡集

与田準一編「日本童謡集」昭和50年 岩波文庫 雨が降り出し、お母さんが学校まで傘を持って迎えに来る。ほのぼのとしてうれしい情景。大正14年当時、珍しくない光景であったのであろう。今ではありえない。お母さんは仕事で夜まで帰ってこないのだから。今は …

174 柴田宵曲「古句を観る」

柴田宵曲(しょうきょく)「古句を観る」岩波文庫 1984年 元禄期の無名作家の俳句集成・評釈。 新年 蓬莱や日のさしかかる枕もと 釣壺 蓬莱を飾った枕許に元日の朝日がさしている。めでたい句である。 春 玉椿落て浮けり水の上 諷竹 「落ちて浮けり」に時間…

173 日本唱歌集

「日本唱歌集」堀内敬三・井上武士編 岩波文庫 1958年 とてもなつかしい。しかし、今では失われてしまった、あるいは共有されなくなった詩情。 今年2024年の1月1日、テレビではお正月らしい番組が少なかった。昔は中村メイコかなんかが着物姿で現れ、お正…

172 黒田重太郎 画房雑筆

黒田重太郎という画家を知る人は少ない。戦前の関西画壇の重鎮。理論派。関西美術院、安井曽太郎と同期。若き日の教室での同じ石膏像デッサンを比較すると、安井はダイナミックであり、黒田は端正に描いている。紀元2600年展には花の絵を出品。時局、画…