読書尚友

A reading room in Nagoya

173 日本唱歌集

「日本唱歌集」堀内敬三・井上武士編 岩波文庫 1958年

 

 とてもなつかしい。しかし、今では失われてしまった、あるいは共有されなくなった詩情。

今年2024年の1月1日、テレビではお正月らしい番組が少なかった。昔は中村メイコかなんかが着物姿で現れ、お正月らしい、この詩のような雰囲気の映像に言葉がそえられていた。昔の良さを想起させる唱歌である。

 現代にはこのような詩情が失われてしまった。和風お正月番組がなくなり、成人式はヤンキー騒ぎ。バレンタインデーにハローウィン。私は学校の教員であったが、バレンタインデーは独特の雰囲気となり、色情をともなう緊張感が生まれ、気持ちわるかった。

 明治大正昭和の日本には淳風美俗が存在していた、としてよいであろうか。平成、令和、豊かな暮らし、国際化 大谷選手の活躍などは素晴らしいが、貴重なものを失った とこの唱歌をみながら 思うのであります。

 作詞者の千家尊福という方 東京府知事 国会議員 司法大臣。今回の東京都知事選 立候補社多数なれど、詩をつくる人はいるのだろうか? いまどきの国会議員 発言もお金の扱いもなさけない。法務大臣も 韓国系宗教団体に参加の写真を示されながら 記憶にない とか。 

 もちろん 千家という方のことはほとんど知りませんが、今の貴顕の醜態が この歌に接すると はっきりしてくる 気がしませんか?