読書尚友

A reading room in Nagoya

175 日本童謡集

与田準一編「日本童謡集」昭和50年 岩波文庫

雨が降り出し、お母さんが学校まで傘を持って迎えに来る。ほのぼのとしてうれしい情景。大正14年当時、珍しくない光景であったのであろう。今ではありえない。お母さんは仕事で夜まで帰ってこないのだから。今は この詩の ずぶぬれの子ばかりの時代。カアサンを失ってしまった時代となった。

女性も働くようになり、世界有数のGDP大国となっているが、貴重なもの、カアサンたちの生活文化を失ったことに、この詩をみると気づくことになる。

どんぐりもどじょうも今の子の生活圏にはいない。

今の子供たちには カアサンも 自然もない。