読書尚友

A reading room in Nagoya

155 玉川スミ「ドドイツ万華鏡」

くまざさ出版社 1999年

爪弾きに声を落とした小唄の渋さ キャバレーじゃ聞けない江戸の味

何度逢うてもきらいはきらい 一度逢うても好きは好き

惚れて通った昔が恋し 今じゃあきれて戻る道

ちょこで受けてるお座敷よりも 二人で呑みたい茶わん酒

初めて見染めて初めて惚れて 初めてはじめるはずかしさ

三歳のときに27円で売られる。「おとうちゃんがお酒飲めるなら行ってもいい」

三歳で初舞台。 ♪ タコに骨ないナマコに目がない わたし子どもで色気ない

 

スミ姐さんに唱和

泣けてくるけど 笑ってしまう こんな小唄に出会いたい

 

三歳の娘を膝にのせて声をあげて泣くおとうちゃん

エンペドクレスのカタルシス 罪からの魂の浄め