読書尚友

A reading room in Nagoya

102 マルクス・アウレーリウス「自省録」

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「自省録」神谷恵美子訳 岩波文庫

マッカーサーが日本の歴史上最良の指導者、という結論に至った。誰かに否定してもらいたいものである。・・・マッカーサー以上の人物の旅行記を思い出した。マルクス・アウレーリウス帝「自省録」。第1章は北境のゲルマン人反乱鎮圧の陣中日記。上掲写真。華厳経 善財童子 求道譚風。

ストア哲学、と分類される。私は学生時代、哲学書としてでなく、気楽に読んでいた。

50年ぶりに手にとる。第1章1から5 すべて納得、実践。第4項、同感、学校嫌いなれど、貧乏な私には無理。第5項 学園紛争の時代の大学生活、そうしてました(徒党を組まず)。学生寮の1階と4階は全共闘系、2階と3階は民青系。学園紛争で大学は封鎖され、講義はなく(時々お寺で授業があったりして、電子計算機概論、机が人数分なくて画板が配布されたのを思い出しました。以来50年間 電子計算機を使っています)、毎日政治的な日々でありました。

大学時代、教育実習で行った商業高校、ほぼ全員が女子生徒、実習生の学生に校内新聞の記者たちが取材に来ました。「愛読書はありますか?」「・・・マルクス・アウレーリウスの自省録」私の躊躇はマルクス共産主義マルクスと誤認されないか、という躊躇でほかの本にしようか一瞬迷ったが正直に・・。数人の記者たちのリアクションが大きくてビックリ。難解奇態な本を読む変人出現! 以来 この本の愛読者であることは口にせず生きてきました。

平易で誠実 やさしくてウソがない文章 いいと思います。