読書尚友

A reading room in Nagoya

51 暮しの手帖 「すてきなあなたに」

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暮しの手帖社 平成15年

ブライスさんは記者の「皇太子(平成上皇)に何を教えているのですか?」(英会話とか、英詩英文学という答えを期待)の質問に「ライフを教えている」と答え、物議を醸した。ライフを生き方と解釈すると、マッカーサーの選んだ皇室外人家庭教師が、英語にかこつけて生き方を吹き込んでいる、とすれば問題である、という意識であろう。ブライスさんにしてみれば、禅や英詩の精髄は生活の詩情にある、というのが彼の考え方の核心であるから、そう言っただけ。

生活を楽しむ、ひとつの形が江戸時代にあり、川柳に残され、ブライスさんも日向子さんもそれを賞味した。組織的に生活の楽しさを追求したのが、花森安治。「暮しの手帖

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雑誌「暮しの手帖」 巻頭言

日向子さんは蕎麦屋めぐりですが パスタを自分でゆでる のがより簡単な至福の時間作り。

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書籍「すてきなあなたに」暮しの手帖社

このごろはパスタ、トマトピューレも上質なものが輸入されていて、信じられないほど美味。

「すてきなあなたに」は雑誌の記事の集成か。

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姉にもらった一冊

金継ぎ を知らせてくれた時のもの。

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材料はいまどき、東急ハンズとかで手にはいります。ただ、私は磁器陶器が割れたら新しいのを夢中で探す浮気者で、材料購入までで中止中。

 

終戦後 外国人収容所を出たブライスも 満州から帰った花森も 平和の輝く穏やかな時代、ライフ 暮しを満喫しようとしたのでしょう。花森は戦争中 大政翼賛会で国策広告を企画。「進め、一億火の玉だ」「屠れ!米英我らの敵だ」のスローガン選定。学生時代の東大新聞編集仲間にさそわれたとのこと。

呉の戦艦大和ミュージアムへ行ったら、大和の食堂システムが学校給食厨房の原型との説明があった。大和は沈んだが、厨房は全国津々浦々の学校に。そういえば、暖かいものを短時間で大量に供給、というのは秒単位の分析思考の結晶か。

戦争中のモノ、ヒトは戦後カタチをかえて社会に定着。

大和艦橋の士官の望遠鏡、日本光学製。大和の主砲の射程距離は世界一。着弾点まで見える望遠鏡が開発された。ニコン反日の国の韓国ドラマ「冬ソナ」でもヒロインのカメラは日本製。