読書尚友

A reading room in Nagoya

2021-01-01から1年間の記事一覧

31 桑原武夫「文学入門」

生活の楽しみ やはり文学。 大学生時代 受験勉強から解放され 意気込んで読んだ桑原武夫。”面白さ” という話にがっかりした。その頃は もっと原理的、理念的な提示を期待していたのだろうか。今読むと桑原という人の構えは面白いと思う。学者というより自由…

32 レ・ミゼラーブル

ヴィクトール・ユゴー「レ・ミゼラーブル」石川 湧訳 角川文庫 昭和36年 表情 私にとって印象的な表情とは「カラマーゾフの兄弟」のイワンと紅茶を飲むアリョーシャの表情。「罪と罰」ネフリュードフに別れを告げるカチューシャの表情。そして、「銀の食器が…

33 桃井かおり「うつむきかげん」

表情につて 第4回 桃井かおりさん 「うつむきかげん」角川文庫 昭和57年 ソフィア・ローレンよりも表情豊か。大女優? ママ 私キレイになれる? 内言語(私の仮説) merry で natural 写真撮影 百瀬恒彦 本としては前作の「しあわせづくり」が良いらしい。 …

34 THE FACE

表情 第3回 洋書 ニューヨークの本屋さんで買った本。 THE FACE DEBRA N. MANCOFF Yhames & Hudson The British Museum メキシコ 15世紀 フランス 19世紀 エジプト 2 世紀 イギリス 14世紀 イギリス 19世紀 日本 18世紀 歌麿 オランダ 17世紀 イタリア 19…

35 「月岡芳年」

月岡芳年 1839-1892 よしとし 大蘇芳年 「月岡芳年」平凡社 2012年 別冊太陽 昨日に続き 表情について 浮世絵の表情表現 芳年 役者絵 湖水/明智左馬之助/市川左団次 怪風 尾上菊五郎/鵜飼勘作 どうもねむったい 漆塗の箱に映る顔 根津遊郭 洋行がしたい 裕福…

36 片山まさゆき「ぎゅわんぶらあ自己中心派 」

講談社 昭和63年 生活の楽しみ 今日は麻雀。 片山まさゆき「ぎゅわんぶらあ自己中心派 」第7巻 孫子の部屋 孫子の兵法編。片山先生、じっくりと、多角的な納得読みの人か。私は孫子を純粋簡潔な理論として足早に読んでしまったが、より実践的、日本的な孫子…

37 冬のソナタ

キム・ウニ / ユン・ウンギョン 宮本尚寛 訳「冬のソナタ」NHK出版 2003年 生活の楽しみ 今日は 韓ドラ。 作者 まえがき どうしてこうなるの? サンヒョクがかわいそう! 作者が簡潔に魅力を語っています。初恋が呼ぶのです。それは思い出の中の冬への旅。そ…

38 多胡 輝「読心術」

多胡 輝 たご あきら KAPPA BOOKS 光文社 昭和37年 生活の楽しみ とは言えないが、虚弱体質貧血気味であった中学時代の私は一時間以上の通学で座りたい時に座席に座れた時は幸せであった。上前津、大須赤門商店街の本屋で中学1年のころ「読心術」という本を…

39 林 謙一 「日曜画家」

池田書店 昭和35年 日曜の曜の字が表紙は略字でパソコンで変換できず。奥付は曜となっている。 高校時代、美術部をやめるころ買った本と記憶。ていねいに編集されている。この書店の「日曜大工」「日曜バラ作り」「日曜料理」「書道入門」は老後の日々にほし…

40 田村隆一 編 「日本の名随筆 11 酒 」

田村隆一 編 「日本の名随筆 11 酒 」作品社 1983年 生活の楽しみ 蕎麦の次は酒 随筆集 それぞれ一家言 山口 瞳 ウイスキー ストレートで飲むのがうまいにきまっている。そうでない飲み物はまやかしものだと思われる。 坂口安吾 ちかごろの酒の話 メチルで死…

41 見田盛夫「東京 五つ星の蕎麦」

東京書籍 平成18年 と 杉浦日向子「ソバ屋で憩う」を比較。日向子特選5店は一致。 ネット検索でコロナ禍を生き延びたかチェック。 並木籔蕎麦 健在 ネット評価 3.79 都内の蕎麦店はみな4点以下 岐阜下呂 仲佐 4点 鞍馬 西荻窪 健在 ほしの 田無 閉店 ご主…

42 松崎天民「銀座」

生活の楽しみ 今日は銀ブラ。 一昨日東京の友人(向島の江戸っ子)よりメール。「久しぶりの銀座。驚いたのは懐かしき店舗がほとんど知らない店に代わるか残っていても、表通りから裏通りへひっそり移転・・」 松崎天民「銀座」ちくま学芸文庫 2002年 松崎天…

43 茶道全集

創元社 昭和12年 今第15巻 器物 を手にとっている。巻頭の20頁ほどの抹茶茶碗の写真、昭和初期のもの。東京、大阪の大空襲で失われたものも多いのであろう。執筆者は千覚二郎、加藤唐九郎など伝説の人物たち。 私が一番よく見るのは、手控帖の巻。

44 織田長繁「茶道 有楽流教本」

監修 宗家 織田長繁 編著 佐藤宗玄 昭和56年 生活の楽しみ 今日は茶道。 私は有楽流 うらく流。 織田信長の弟 織田有楽の茶道。東京の有楽町は有楽の茶室があったから有楽町。有楽の数寄屋があったので数寄屋橋。有楽の茶室で今に残るのは国宝如庵。犬山に移…

45 カレル・チャペック「園芸家の12ヶ月」

小松太郎訳 中公文庫 1975年 生活の楽しみ 今日は園芸 チェコの生んだ文学者 人々の心まで耕す人 秋の落葉の見方について チャペックは大学で哲学を学び 演劇もやっている。 昨日衆議院選挙。落選した知人を思っていたら、このページにしたくまりました。来…

46 カレル・チャペック「ダーシェンカ」

カレル・チャペック 1890-1938 「ダーシェンカ 子犬の生活」新潮社 2001年 ダーシェンカの業績 知り合いでラブラドールに家具一切をかじられ、パイプ式の椅子で暮らしている夫婦もみえます。遠藤周作の家の犬は主人の帰宅を喜んで玄関で小便をもらしていたと…

47 安達俊夫「ラブラドルレトリーバーの飼い方」

成美堂出版 1999年 楽しい生活 今日はラブラドール。 家に来たときは小さな箱にはいっていて、ひっそり静かでした。 すぐに 風船がふくらむように。 3回くらい首輪を大きいのに変えた。 数か月のこどもだから人に抱きつこうとするけど もう大きくて 肩のあ…

48 田河水泡「のらくろ自叙伝」

光人社 昭和58年 戦後編 昨日、近江商人の出世ばなし。出世といえば、のらくろ。 のらいぬ 初年兵 一等兵 上等兵 伍長 軍曹 少尉 中尉 大尉 戦後の のらくろ 出世について考える 出世は江戸後期 明治大正昭和 人生に希望を与えるものであった。軍隊で階級が…

49 小倉栄一郎「金持商人一代記」

言叢社 昭和59年 表紙絵 著者 生活の楽しみ 今日は近江商人。 豪商中井源左衛門良祐の一代記。孤児が一代で30万両の金持商人に。 目次 行商→店持ち→関東に拠点→首都 実証的で克明な記述 筋が見えてくるという 近江商人研究の教授の著作 若いころは苦労して、…

50 久田徳二「北の大地を耕して 駒谷農場120年の記録」

久田徳二の編著 このところ 生活を楽しむ ブライス、杉浦日向子の本を見てみました。 今日は 北海道の生活。 久田徳二氏 農業一家の120年を追うミクロの目あり。トランプ政権の農業政策の北海道農業への影響を見る世界的マクロの視点あり。過去/未来の視座。…

51 暮しの手帖 「すてきなあなたに」

暮しの手帖社 平成15年 ブライスさんは記者の「皇太子(平成上皇)に何を教えているのですか?」(英会話とか、英詩英文学という答えを期待)の質問に「ライフを教えている」と答え、物議を醸した。ライフを生き方と解釈すると、マッカーサーの選んだ皇室外…

52杉浦日向子『うつくしく、やさしく、おろかなり ― 私の惚れた「江戸」』

筑摩書房 2006年 杉浦日向子さん、ブライスさんに似ている。 「ライフ」大事のブライスさん、「江戸の暮らし」に惚れる杉浦さん。 探求ぶりも似ている。 江戸のおんな の章 杉浦日向子のこの本も川柳の引用が多い。この章にも、 馬鹿らしい いやよと暗いほう…

53 ブライス「川柳にみる日本人の生活と国民性」

R.H.Blyth Japanese Life and Character in Senryu 豪華本 宰相吉田茂はひそかにブライスの出版を援助。ブライスは欧米で名高い。親しみやすいが上質な内容。戦前駐英大使であった吉田は欧米で評価される形を知っていた。敗戦後、日本と日本文化の評判を守る…

54 荒井良雄「ブライス禅の世界 ー平和は詩心からー」

2004年 北星堂 ブライスの自伝、荒井の編集能力は神業。引用元の英語本は豪華本で現在入手困難。 第4章 ブライス禅の世界 ブライス禅の本質。ブライスの言葉で、荒井良雄の編集で。 荒井良雄訳 このページで第4章は終わる。 以上の引用が ブライス禅 簡潔…

55 R.H.ブライス「禅についての25のエッセイ」

R.H.BLYTH TWENTY-FIVE ZEN ESSAYS (Zen and Zen Classics, vol 5) The Hokuseido Press 1962 ブライスの「禅と禅の古典」 杉本さんの本には「出版社に注文したのですが1、2巻しか在庫がなく」p.243 それでは補足します。5巻の写しを示しましょう。出版社…

56 杉原京子「禅と俳句を愛したブライズ」

杉原京子「禅と俳句を愛したブライズ」岩波ブックセンター 2012年 すぎはら けいこ さん。 ブライズ としてみえるのは 上田邦義教授のが ブライズ とされていたためである。R.H.BRYTHさんについての著作。 戦後日本民主主義の書。晩期ブライス研究。因習化し…

57 夏目漱石「文学論」

夏目金之助「漱石全集 第14巻」文学論 岩波書店 1995年 文学的内容 = F + f F : 焦点的印象 f : 情緒的要素 ワーズワースの 黄水仙 + 旅路の散歩気分 漱石 猫の視点 + ユーモア キリスト教文学の泰斗 山形和美氏の広大な邸宅には、お弟子さん数人がかりで…

58 山形和美 編「聖なるものと想像力」

キリスト教文学会の権威 山形和美教授 那須高原の英国風白い館、敷地は広く、緑が深い。車が2台、黄色のかわいいワーゲンと灰色のベンツ。一階の広いお部屋で奥様とお嬢さんが出迎えてくださいました。お嬢様とはフルート奏者の山形由美さん。先生がワーゲ…

59 鈴木大拙「宗教経験の事実(庄松底を題材として)」

鈴木大拙「宗教経験の事実」鈴木大拙全集第10巻 岩波書店1969年 「妙好人」庄松のことは先月(9月7日)ふれた。鈴木大拙はその分析をこの本でしている。妙好人(浄土宗)多数例の考察、というのが大拙の禅の人としてのユニークさ。体験、修行者としての禅…

60 趙州禅師語録

「趙州禅師語録」鈴木大拙 校閲 秋月龍珉 校訂國譯 春秋社 昭和39年 四庫全書 なんでも鑑定団 1500万円 四庫全書 私の趙州録 禅の書物 どこか自分にそぐわない気がしてあれこれ見ておりました。鈴木大拙の「趙州録 おもしろい」という言葉、ブライスの禅の本…